下げるには

尿酸値が高い人は肥満の傾向があります。逆に言えば,肥満の人は尿酸値が高くなりやすいのかもしれません。肥満度を表す指数にBMI(Body Mass Index)があり,BMI22が標準,25以上を肥満と定義しています。厚生労働省の「平成23年度国民健康・栄養調査」によるとBMIが25以上ある人(20歳以上)は,男性で30.3%,女性で21.5%となっています。参考までにBMIが30以上ある人は,男性で4.6%,女性で3.6%となっています。

平成23年度男性のBMI分布(15歳以上) 平成23年度女性のBMI分布(15歳以上)
(平成23年国民健康・栄養調査より)

まずは肥満解消ということでBMIが25以下を目標としましょう。BMI計算ツールを用意しました。また,日常生活や運動での消費カロリー計算ツールを用意しました。

プリン体は体内で作られるものが約85~90%。残り10~15%が食べ物から摂取する分です。食事でがんばってプリン体摂取量を減らしても尿酸値は1~2割しか減らないという研究結果もあるということです。よって,食べ物を制限するだけでなくその他の方法も併用する方が効果があります。

一日の摂取量は 400mg までに抑えるのが目安とされています。

食事の量を見直す

食べる順序も肉や魚から食べるよりもまずは野菜や汁物などから食べたほうが満腹感が得られやすく食べ過ぎを防ぐことができます。

また,満腹感が脳に伝わるのは食べ始めてから15分程度たってからです。なので食事時間が短いと食べ過ぎてしまうことになります。食事はゆっくりとよく噛んで,食べ放題に行くのもほどほどにしたほうが良いです(たまには良いかと思いますが)。

そして,どうせ食べるならプリン体の少ないものを。食品中のプリン体含有量の表を用意しました。

甘いものより野菜をとる

甘いものは尿酸を増やしやすいのだとか。一方野菜は尿酸の排泄を助けるそうです。よって,たまにはそのエクレアを我慢してキュウリを楽しむとかが良いかもしれません。

お酒の量を見直す

ビールだけではなくアルコールにはプリン体を含むものが多く,またアルコールが入るとついつい食べ過ぎてしまいます。ついつい飲んでしまうビール。ビールといえばプリン体ということでビール類銘柄別によるプリン体の量の表を用意しました。

また,量だけでなくいつも働き続けてくれる肝臓に敬意を払いたまにはお酒を飲まない日を作るのも効果があります。

水分をたくさん摂る

尿酸の80%は腎臓でろ過され尿に溶けて排出されます。よって,尿をたくさん出すことで体内にある尿酸を減らすことができます。成人の尿量は1日1~1.2リットルなので,この量を2リットル程度まで増やすのがひとつの目安です。

起床後や,運動の前後,入浴の前後などこまめに水分をとるとよいです。本とかを読むと寝る前にも飲んだほうが良いようなことが書いてありますが,管理人の場合,夜中におしっこがしたくなって起きてしまうので寝る前は控えてます。

但し,水分といってもアルコール類はプリン体を含むため良くないです。また,ジュースやスポーツドリンクには結構糖分が含まれているのでガブガブ飲むと太ります。ここは水やお茶を飲みましょう。

また,尿酸は体がアルカリ性になると排泄されやすくなるそうです。よってアルカリ性の水を飲むようにすることでも効果があるようです。

有酸素運動をする

有酸素運動は体を動かすときにエネルギー源となるATP(アデノシン三リン酸)を上手に燃焼してくれるためエネルギーの燃えカスとなるプリン体を殆ど作りません。日常的に有酸素運動をすることで肥満解消となり尿酸値にも良い影響があります。

まずは毎日できることから始めるのが良いです。なるべく階段を使う,天気の良い日は一駅分歩く,暫くやっていなかった犬の散歩をやってみる,近所なら車でなく自転車で行くなどが良いかと思います。自転車に乗っている時は抜かれても熱くなって抜き返さない心の余裕が大切です。

ストレスを減らす

ストレスにより暴飲暴食をしてしまう。これが一番良くないです。また自律神経のバランスが崩れることで腎臓から尿酸が排出されにくくなるということも考えられているそうです。

尿をアルカリ化する

尿酸はアルカリ性の液体に溶けやすいという性質があります。人の尿は弱酸性ですが,肉や魚を多く摂ることでより酸性側に,海藻や野菜を多く摂ることでよりアルカリ性側になります。アルカリ性側に傾けることでより多く尿酸を排出することができます。

薬を使う

痛風発作を起こした人はもう後がないため薬を使います。薬は腎臓による尿酸の再吸収を抑える尿酸排泄促進薬と,プリン体が尿酸に分解されるにくくする尿酸生成抑制薬の2種類があります。薬まで行く前になんとか生活習慣の改善等でがんばりましょう。

牛乳で下げる

ためしてガッテンによると,牛乳には尿酸を排泄する作用があるそうです。牛乳などに含まれるカゼインというタンパク質は胃腸で分解されてアラニンというアミノ酸に変化するのですが,このアラニンが腎臓に働きかけ尿とともに尿酸を排泄すると考えられています。一日コップ一杯程度飲むだけで効果があるとか。低脂肪の方がより高い効果があるそうです。またヨーグルトでもよいのだとか。ちなみに同じ乳がつく豆乳ですが,こちらは効き目が無いそうです。

外国での12年間に渡って4万人以上を対象とした調査によると低脂肪乳を一日一杯飲むだけで痛風の発症が43%も下がったとのこと。これはもう飲んじゃうしかないですね。

シークワーサーで下げる

シークワーサーなどの柑橘類に含まれるフラボノイドの一種である「ノビレチン」には尿酸値を下げる効果があるようです。沖縄ハム総合食品の実験では30~40個分のシークワーサー果汁を凝縮した飲料を毎日飲んだところ4週間で4%,8週間で7%尿酸値が減ったそうです。

コーヒーを飲む

一日にコーヒーを6杯以上飲む人は飲まない人に比べると痛風発症のリスクが約半分になるそうです。4~5杯飲む人でリスクは3/5。それ以下ではあまり差はないとのことです。

乳酸菌で下げる

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明治から出ている「プリン体と戦う乳酸菌」PA-3。正式名称は Lactobacillus Gasseri PA-3 というなんとなくレオナルド・ダ・ビンチのようですが,この乳酸菌が戦ってくれます。明治のサイトには以下の様な説明があります。

プリン体にはプリンヌクレオチド,プリンヌクレオシド,プリン塩基の代表的な3つの構造がある。その1つプリンヌクレオシドを人体内に吸収しにくいプリン塩基に分解する。また,プリンヌクレオチド,プリンヌクレオシド,プリン塩基を菌体内に取り込む,さらに取り込んだプリン体を増殖など自らの栄養源として利用する。

うーん,なんとも頼もしい活躍。ラットによる実験では効果があったようです。

製品としては,ドリンクタイプとヨーグルトタイプがあるようです。

サプリで下げる

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小林製薬から出ているプリトロール。プリン体吸着成分(キトサン)を配合した栄養補助食品です。キトサンというのはカニの甲羅に含まれるキチンから作られる成分で食物繊維の一種です。試験管内での実験によるとこのキトサンにはプリン体を吸着する作用があるとのこと。小林製薬の製品らしいネーミングなのでなんとなくプリン体が取れちゃいそうですね(もちろん採れるじゃないです)。


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DHCから出ているアンセリン。フィッシュペプチド(アンセリン)を配合した栄養補助食品です。アンセリンとはマグロやカツオといった回遊魚のスタミナ源ともいわれる成分で,アラニンとヒスチジンという2つのアミノ酸が結合したものです。こちらのページの下の方より,DHCの研究所のレポート(「アンセリン含有フィッシュペプチドの高尿酸血症への効果)」)が参照できます。


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DHCから出ているルテオリン尿酸ダウン。菊の花に含まれるポリフェノールの一種であるルテリオンを一日摂取目安量あたり10mg含みます。尿酸値が高めの人向きの「機能性表示食品」です。


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ファンケルから出ている尿酸サポート。藤茶由来の成分アンペロプシンなどが含まれます。日本初の高めの尿酸値を下げる臨床試験済みの機能性表示食品です。


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大正製薬から出ているプリンケア。 マグロ・カツオから精製したアンセリン(尿酸を産生する酵素を阻害する)を含んでいます。機能性表示食品です。


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沖縄ハム総合食品からでているパパシークヮーサー。尿酸の産生抑制と排泄促進の両方に効果があるのが特徴であるとのこと。特許もあるそうです。

ビールテイスト飲料で下げる

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サッポロから出ているうまみ搾り。ビール系飲料はプリン体が心配。ビールテイストならプリン体の心配がいらない。というイメージだったのですが,更に進んで尿酸値を下げるまで来るとは。ぜひとも実験してみたいですね。

検診前には

上記のことを考慮すると検診前の準備としては,太り過ぎず,暴飲暴食を控え,普段から牛乳をコップ一杯程度飲み,検診直前には筋トレをせず,ゆっくりと歩いて採血する場所へ向かうという感じでしょうか。

尿酸値を調べるには

尿酸値が高めの人は定期的に検査をして常に自分の尿酸値がどのくらいなのかを知っておいたほうが良いです。

病院で調べる

内科での血液検査(尿検査ではない)や健康診断,人間ドックなどで調べることが可能です。

自分で調べる

今のところそんな便利なキットはなさそうです。指先などから自分で採血してそのサンプルを検査センターに送り分析してもらうというキットはあるようです。

献血で調べる

現在のところ,尿酸値は測定項目に入っていません。

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