関連する病気
尿酸値が上がることで以下のような病気が引き起こされます。
高尿酸血症
尿酸値が 7.0mg/dl を超えた状態のことを言います。体内で作られる尿酸と主に尿から排出される尿酸が釣り合っている場合は良いのですが,作られる分が増えたり,排出される分が減ったりするとなってしまいます。
1960年代は成人男性の5%程度であったのですが,1970年代から1980年代前半には15%,1990年代には20%に増えているそうです。
痛風
音も立てずにある日突然痛みとともにやってくるのが特徴の病気です。風が吹いただけでも痛いというくらい大変なものです。足の親指の付け根に来るのが約70%,それ以外にもくるぶしやアキレス腱などが痛むことがあります。1箇所をピンポイントで攻めてくることが多いです。
痛みのピークは発生後24時間程度。数日から2週間程度で痛みは収まります。但しこれで治ったわけではなくこの後も繰り返し痛みがやってきます。
尿酸が血液中に溶ける量には限界があり,7.0mg/dl を超えたあたりから結晶化が始まってきます。いかにもチクチクしていそうです。そして,関節などに沈着し,人体への攻撃準備に入るわけです。一度痛風になると生涯にわたって付き合っていく人が多いです。患者の殆どは男性です。
ちなみに,最強の恐竜であるティラノサウルスの化石からは痛風で骨が変形したようなあとが見つかっているようです。やっぱり肉ばっかり食べていたからですかね。
痛風結節
尿酸の結晶が関節や皮下組織などに沈着しコブ状に固まったものです。肘の関節や耳たぶ,足の親指付け根,アキレス腱など体温の低いところにできやすいです。関節にできると関節が変形し動かしにくくなることもあります。
更に進むと関節が変形します。また狭心症や心筋梗塞を起こしやすくなります。
尿路結石
尿の通り道である腎臓,尿管,膀胱,尿道で結石ができるものです。痛風患者ではこれを併発する人も多いです。小さな結石は尿と一緒に出てくることもあるそうですが,かなりの激痛なので石ができないようにしたほうが良いです。痛風患者の20%の人は結石ができてしまうようです。
腎不全
腎臓に尿酸塩の結晶がたまることで腎臓の機能が正常時の30%を下回った状態のことです。この機能が更に低下すると人工透析が必要となります。
痛風と間違えやすい病気
尿酸値が高い = 痛風というイメージがありますが,痛風と間違えやすい病気には以下の様なものがあります。
関節リウマチ
手の指などの複数の関節がいつまでも痛いものです。女性に多いのですが,原因はよく分かっていないそうです。
変形性関節症
加齢や激しい運動などにより関節の軟骨が磨り減り,骨同士が直接触れることで痛みを生じます。膝などに起こりやすいです。
偽痛風
痛風は尿酸が関節にたまって起こりますが,ピロリン酸カルシウムの結晶がたまって起こるものです。膝や足首の関節に起こりやすく男女を問わず高齢者に多く見られます。レントゲン検査で診断可能です。
外反母趾
先が細くなっている靴を履き続けることで足の親指の付け根の関節が曲がり外側に飛び出してしまうものです。女性に多いです。
化膿性関節炎
関節で細菌が炎症を起こすものです。